巻き爪・陥入爪治療
巻き爪・陥入爪治療
巻き爪と陥入爪は、よく似た病気として扱われますが、厳密には異なります。
巻き爪とは、爪そのものが曲がった状態のことで、医学的には「弯曲爪(わんきょくそう)」といいます。爪の弯曲によって荷重時に痛みが出ることもありますが、痛みはなく、単に爪が巻いているだけの場合もあります。
陥入爪とは、爪の端が周囲の皮膚に刺さり、炎症を起こした状態です。痛みや腫れのほか、肉芽ができたり、浸出液が出たりすることがあります。
巻き爪を伴って陥入爪になることもありますが、巻き爪がなくても陥入爪になることがあります。
巻き爪に対する矯正治療は、健康保険が適用されず、自費診療となります。
陥入爪の治療は、病状や治療内容に応じて原則として保険診療となります。
イメージとしては、歯並びを整える矯正歯科は自費診療、虫歯の治療は保険診療という違いに近いと考えていただくと分かりやすいと思います。
※保険診療となるか自費診療となるかは、診察時の状態および実際に行う治療内容によって医師が判断します。患者さんのご希望のみで、治療方法や保険・自費を選択することはできません。
巻き爪・陥入爪は、歩き方、足に合っていない靴、外反母趾、扁平足、不適切な爪切り、爪白癬、日頃の生活習慣など、さまざまな要因が重なって起こります。そのため、爪だけを治療しても、なかなか改善しなかったり、再発を繰り返したりすることがあります。
治療効果を高め、再発を少なくするためには、足の状態に応じた靴の見直し・作製、インソール作製、爪の切り方や日頃の習慣の改善なども重要です。長年の習慣を変える必要があることも多いため、改善には時間と根気が必要です。
当院から爪の切り方、靴、歩き方などについて指導を行うことがあります。十分な治療効果を得るためにも、医師からお伝えする治療方針や生活上の注意点に沿って、継続して取り組んでいただくことが重要です。
巻き爪治療で主に用いられる方法です。形状記憶合金などのワイヤーが元の形に戻ろうとする力を利用し、弯曲した爪を持ち上げます。爪の先端に装着するもの、爪の両側にフックを掛けるもの、爪に穴を開けてワイヤーを通すものなど、装着する位置や方法によってさまざまな種類があります。
爪の表面に弾性のあるプレートを接着し、プレートが平らに戻ろうとする力を利用して爪を矯正します。ネイルサロンなどで行われている巻き爪矯正では、このタイプの治療が多く用いられています。矯正力は比較的弱いことが多いです
当院では、巻き爪の矯正治療として巻き爪マイスターを使用しています。巻き爪マイスターは、器具の左右にあるフックを爪の両端に掛け、内部の超弾性合金ワイヤーが元の形に戻ろうとする力を利用して、湾曲した爪を持ち上げる矯正器具です。



リネイルゲルは、一時的に爪を柔らかくすることで、巻き爪矯正具による矯正効果を高める薬剤です。巻き爪マイスターとリネイルゲルを組み合わせることで、比較的短期間で爪の湾曲が改善することが期待できます。

巻き爪マイスターおよびリネイルゲルを使用した矯正治療は自費診療となります。

陥入爪では、爪が皮膚にどの程度食い込んでいるか、炎症や肉芽の程度などによって治療方法を選択します。感染を伴っている場合には、まず抗菌薬による内服治療を行うことがあります。
比較的軽症の場合には、以下のような治療を行います。
局所麻酔を行ったうえで、爪と皮膚の間に細いチューブを挿入し、爪が直接皮膚に刺さらないようにする治療です。チューブで爪と皮膚を隔てながら、炎症が治まり、爪が適切な位置まで伸びてくるのを待ちます。
痛みは比較的早期に改善することが多いですが、爪が十分に伸びるまで1~2か月程度の治療期間が必要になることがあります。

爪を温存できることです。
治療に時間がかかること、途中でチューブが外れた場合には再挿入が必要になることがあります。
局所麻酔を行い、皮膚に食い込んでいる部分の爪を根元から部分的に取り除きます。部分抜爪のみでは、同じ部分の爪が再び伸びてきた際に陥入爪が再発することが多いので、同じ部分の爪が再び生えてこないよう、爪を作る組織(爪母)の一部をフェノールで処理する「フェノール法」を併用することがあります。
再発を抑える効果が高いことです。
処置した部分の爪は原則として生えてこないため、爪の幅が狭くなります。また、爪の形の変化が長期間残ることがあります。
しつこいようですが、巻き爪・陥入爪の治療で最も大切なのは、現在痛いところを治療することと同時に、なぜ巻き爪・陥入爪になったのかを考え、その原因を改善することです。深爪、靴、外反母趾、扁平足、爪白癬、歩き方などを評価し、必要に応じて以下のような治療や対策をご提案します。
爪だけを矯正して終わりではなく、足全体の環境を改善することが、再発を少なくするために重要です。
靴の作製やインソール作製については、川村義肢エイドセンター様にご協力いただいております。