しみは医学的には「老人性色素班」と呼ばれます

表皮には皮膚表面を守る表皮細胞（ケラチノサイト）とメラニンを作る色素細胞（メラノサイト）からなります。紫外線が皮膚にあたると、ケラチノサイトからメラノサイトへメラニン産生を刺激する物質が分泌されます。紫外線暴露の蓄積（＝加齢）によるケラチノサイトのDNA損傷により、メラニン産生が過剰になった状態を老人性色素班とよびます。さらに、ケラチノサイトが増殖しいぼ状になったものを脂漏性角化症（＝老人性疣贅）と呼びます。老人性色素班と脂漏性角化症は合併することもしばしばです。

老人性色素班に肝斑、雀卵斑、後天性真皮メラノーシス、炎症性色素沈着が合併していることがあります。肝斑や雀卵斑に対してはレーザー治療に加えてスキンケアが重要となりますし、炎症性色素沈着に対してレーザー治療を行うと色素沈着が悪化することがあり注意が必要です。当院では高機能画像診断装置、rebeau2による術前解析を行い、不用意にレーザーを照射しないように心がけておりますし、術後も治療効果の解析を行っておりますので、安心して受診していただけます。

紫外線の回避

紫外線の回避　老人性色素班は紫外線が原因です。長年の紫外線刺激の蓄積により発症することから、日焼け止めが重要です。紫外線は春～夏の晴れた日が強い傾向にありますが、秋～冬や曇りの日、雨の日でも常に降り注いでいます。季節や天気によらず、日焼け止めは毎日塗りましょう。

生活習慣の改善

皮膚のターンオーバーを促し、メラニンが沈着しない肌つくりが大切です。食生活やスキンケアを見直し、規則正しい生活を送ることが重要です。食生活ではメラニン色素の生成を抑制するビタミンCを積極的に取り入れましょう。肌のターンオーバーを乱さないために、睡眠不足や栄養バランスの偏りにも気を付けましょう。

内服薬や外用剤

メラニン生成抑制作用のある「トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンEの内服」「ハイドロキノンクリームの外用」「経皮吸収されるリン酸化ビタミンCローションの外用」などの内服薬や外用剤での治療を行います。治療を2～3ヶ月続けていただくと、完全とはいいませんが、かなり改善するとされています。

レーザ治療

紫外線の回避や生活習慣の改善、内服薬や外用薬は老人性色素班の土台となる治療であり重要ですが、すでに完成してしまったシミにはレーザー治療が極めて有効です。高出力なQスイッチヤグレーザー（534nm）を照射し、基本的には1回の治療でシミをほとんど消すことができます。術後は照射部にテープを貼り、強くこすらないようにする必要があります。

1.予約

まずはLINE予約、WEB予約でカウンセリング予約をお取りください

2.初回診察

まずどの部分のどんな症状が気になっているかをお聞きします。
肌画像カウンセリングシステムrebeau2を用いて、老人性色素班とその他のシミの鑑別を行います。老人性色素班にはしばしば脂肪性角化症を伴いますが、ダーモスコピーを用いて悪性腫瘍との鑑別も行います。

3.説明

治療の手順、効果、注意点などについて、詳しく説明致します。
十分ご納得いただいたうえで治療を受けてください。治療は原則として予約制になります。

4.治療当日

治療時間は約5-10分程度です。
治療後は肌色のテープを貼って帰宅いただきます。基本的には数日貼ったままで大丈夫ですが、テープをご購入いただき、ご自宅で2週間程度の間、貼り替えていただきます。
テープの上からメイクしていただいて大丈夫ですが、メイク落としや洗顔の際は、テープが剥がれないように気をつけてください。

5.再診

レーザー治療後2週間を目安に再診し、レーザーの効果を確認させていただきます。追加照射など気になることについてはその際にお聞きください。その後は日焼け止めを使用するなど紫外線対策をしっかりと行ってください。

炎症後色素沈着