痔核手術|いまがわ外科クリニック|都島駅の内科・外科・整形外科・肛門科・形成外科・美容診療・消化器内科

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痔核手術

痔核手術|いまがわ外科クリニック|都島駅の内科・外科・整形外科・肛門科・形成外科・美容診療・消化器内科

当院における痔核手術の特徴

痔核根治術が日帰り手術で可能

ジオン注射療法は、結紮切除術にくらべ低侵襲で、後出血のリスクが低いという利点がありますが、外痔核には適応外であること、結紮切除術にくらべ再発が多いという問題があります。一方、標準術式である結紮切除術は、あらゆる痔核に適応可能で、根治性も高い治療法ですが、注射に比べると侵襲が大きく、術後出血のリスクがあり、従来は入院して手術が行われておりました。当院では内痔核に対してはジオン注射、外痔核に対しては結紮切除術を組み合わせたハイブリッド手術を行うことで、根治性と安全を担保した日帰り手術が可能となっています

 

従来の術式

結紮切除術

痔核を外側から切除していき、痔核根部血管を結紮して切除します。肛門管内の粘膜は閉鎖し、肛門外はドレナージ創として開放したままとします。あらゆる形態の内外痔核や肛門ポリープ, 裂肛, 痔瘻などを 合併している痔核にも対応可能で、最も標準的な術式です。再発が0-2.5%と少なく、幅広い病変に対応できる手術ですが、術後の痛みが他の術式にくらべて強い、切除範囲が大きすぎると肛門狭窄(0.8-5.0%)をきたす可能性がある、後出血(0-13.3-%)などの合併症が問題になります。

ジオン注射単独療法

タンニン酸アルミニウム注射液を内痔核に注射し、内痔核に炎症を引き起こさせ、硬くすることで、出血や脱肛を改善させる治療法です。ジオン注射は結紮切除に比べリスクが少なく、局所麻酔下でも施行可能で、日帰り治療が可能です。肛門に対するダメージは少なく画期的な治療法ですが、外痔核には使用できないという欠点が問題となります。

ジオン注射を用いた痔核のハイブリッド手術

当院で行っているジオン注射を用いた痔核のハイブリッド手術は、学会等ではLE(エルイー)ALTA(アルタ)併用療法と呼称されています。LEはLigation and Excision(結紮切除)のことで、ALTAはaluminium potassium sulfate・annic acid (硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸)製品名でジオン注のことを指します。

内痔核と外痔核が連続している病変では、外痔核成分にジオン注射が使えないため、根治性を高めるにはLE+ALTA併用療法が必要となります。ここでは従来の結紮切除術とLE+ALTA療法を比べて解説します

肛門の解剖

肛門の断面を示します。
①肛門(こげ茶の部分):通常外から見えている部分です
②肛門管(茶色の部分):肛門から入ってすぐのところ。肛門管は外の皮膚成分が直腸粘膜へ移行していく部分となります
③歯状線(しじょうせん)といわれる部分で、肛門管と直腸の境界となります。歯状線より直腸側にできる痔核を内痔核、歯状線より肛門側にできる痔核を外痔核といいますが、内痔核外痔核が連続していることも多く、ジオン注射では根治性が得られないことになります。
④直腸(ピンク部分):直腸粘膜は痛みを感じないため、内痔核では痛みはありません。血流が多いため、手術時には確実な止血が必要となります

肛門鏡という診察器具で観察すると、筒状のものを挿入しているので、円の外側から肛門→肛門管→歯状線→直腸という順番で見えています

内痔核と外痔核が連続した病変

内痔核と外痔核が連続すると図のようになっています

結紮切除術(従来法)

結紮切除術では内痔核と外痔核を一括で切除します。切除した痔核の直腸側で赤い丸()の部分には痔核動脈といわれる血管が流入しており、この部分を確実に止血する必要があります。針をかけた糸でくくる(結紮といいます)ので、「結紮切除」という名前がついています。直腸と肛門管の切除部分は縫い閉じますが、肛門から外の部分は膿が溜まらないように開放としています。肛門はもっともばい菌の多いところですので、このような工夫が必要になります。

ジオン注射を用いた痔核のハイブリッド手術(LE+ALTA併用療法)

LE+ALTA併用療法では内痔核部分にジオン注射を行い、外痔核部分を切除します。結紮切除術にくらべ切除範囲が小さく侵襲が少ないことが利点です。また結紮切除では直腸側の痔動脈を結紮する必要がありましたが、LE+ALTA併用療法ではジオン注射による止血効果と、痔動脈を末梢側(肛門側)で結紮をするため、術後出血のリスクが相当減ると考えられます。肛門の外を開放創とするのは、従来と同様です。



痔核に対するその他の術式

PAO注射

PAO(Phenol Almond Oil)と呼ばれる薬剤を注射する治療法です。ALTAは強力な薬であり、手術にとってかわるような治療法ですが、効果が強い分注射後に痛みや発熱、出血などが起こることがあります。また腎臓の悪い人には使用できず事前に血液検査が必要です。PAOはALTAに比べて治療効果は弱く、手術を置換するほどの効果はありませんが、副作用は少なく安全性は高いとされています。

ゴム結紮

内痔核をゴムで緊縛して血流を遮断し、痔核を脱落させる治療です。施行時の疼痛が少なく、簡便な治療法ですが、平坦な内痔核やサイズの大きな内痔、線維化した硬い内痔核は適応外であり、痔核脱落後に後出血をきたすリスクがあります。

PPH

環状自動縫合器(PPH=procedure for prolapse and hemorrhoids)を用いて、痔核口側の直腸粘膜を環状に切除することで、切除部より肛門側にある痔核に対する血流を遮断するとともに痔核を吊り上げて固定する術式です。全周性に滑脱している内痔核に対して、後述する結紮切除を行うと、切除範囲が大きくなりすぎ、肛門狭窄をきたすリスクがありますが、PPHでは痔核を広範に切除しませんのでそのようなリスクは低いとされています。また直腸には痛みを感じる神経が通っていないため、術後の疼痛が少ない、自動縫合器を用いるので手術時間も短く低侵襲です。しかし、直腸穿孔、直腸狭窄といった他の痔核手術に比べると重大な合併症を引き起こすことも稀ながらあるため、慎重に行う必要があります

手術の流れ

1.診察予約

LINE予約、WEB予約で予約をおとりください

2.診察・手術説明

痔核かどうかを診察します。
痔核は生活習慣や排便習慣の積み重ねで発症します。
これらの習慣を改善せずに手術を行っても再発しますので、まずは保存的加療を行うこともよくあります。一方、長年痔核を患っており保存的治療が限界になっていて早期に治療したほうが良いと判断した場合は手術療法をご提案させていただきます

3.術前検査、手術日の予約

術前検査(採血など)を受けていただき、手術日時を決めます

4.手術当日(痔核結紮切除術の場合)

指定時間にご来院ください。
ゆったりとした楽な服装でお越しください。
食事は当日9時以降はとらないでください。水分は来院時まで摂取可です
当院や他院で処方されているお薬については、一部中止が必要なものがありますので
手術説明時にご案内いたします

手術は腰椎麻酔下でおこない、手術時間は30分から1時間程度です。

手術後は2時間ほどリカバリールームでお休みいただきます
術後は乗り物の運転は非常に危険です。車、バイク、自転車の運転は控えてください。
痛み止めを処方しますので、痛みが気になる場合は服用してください。
また軟膏や緩下剤を処方する場合もあります。手術当日から入浴が可能です

5.手術翌日

出血や腫れの程度を判断するため、診察にお越しください。
問題がなければ、以後2-3週間に1度の通院となります
仕事復帰については診察時にご相談下さい。

手術のリスク

術後出血

術後出血痔核手術の最大の合併症は術後出血です。 肛門周囲は血管が多いため、手術で縫い合せた部分が裂けて出血することがあります。手術後すぐに起こる場合と、退院後数日してから無理な排便や体に力が入った時に起こる場合があります。

 

肛門狭窄

広範囲に痔核を切除した場合、肛門狭窄をきたすリスクがあります。当院ではジオン注射と結紮切除術を組み合わせることで、なるべく切除範囲を少なくなるように施行しております。

痔核手術の費用(当院は保険診療です)

保険適応となります 症状等により費用はことなります。
痔核手術 約30,000円~約40,000円前後です(3割負担時)