へバーデン結節
へバーデン結節
へバーデン結節は変形性指関節症の一つであり、指の第1関節が変形します。この状態は痛みを伴い、進行すると指の曲げ伸ばしが困難になり、日常生活に支障をきたします。第1関節に生じた粘液腫をミューカシスと呼び、第2関節に生じたものをブシャール結節と呼びます。これらの変形は、関節リウマチのものとは異なります。
原因は明確にはわかっていませんが、更年期の女性に発症することが多いため、女性ホルモンの急激な減少も一因と考えられています。また、手を多く使う人にも発症しやすい傾向があります。
視触診やレントゲンを用いて行います。関節リウマチとの鑑別が必要な場合は採血検査などを行います。
安静にし、固定やテーピングを行います。テーピングにはいろいろな方法があり、市販の製品も各種販売されていますが、約2cm×6cmのテープ(キネシオロジーテープなど)を3本用意してもらい、1本目は第1関節を中心に指に巻き、残り2本をそれぞれ先端側の根本側にずらして巻くことで固定されます。テープの種類によっては皮膚がかぶれることもあるので、注意が必要です。日本シグマックス社からは「へバーデンリング」という固定用具が販売されており繰り返し使えて便利です。日常生活に支障がきたしているような場合は手術療法を考慮します。
関節固定術 第1関節を伸ばした状態で固定します。第1関節は曲げられなくなりますが、疼痛が改善し、見た目も改善します。動きを残したい場合には人工関節手術を行っている施設もあります。手術希望の方は、水曜日の整形専門外来を受診してください。
女性ホルモンの急激な減少がへバーデン結節の一因とされており、エクオールと呼ばれる女性ホルモン類似物質の補給が有効なことがあります。エクオールは、大豆イソフラボンを経口摂取すると腸内で生成されますが、日本人の中で生成されるのは2人に1人に限られます。エクオールが生成されているかどうかは「ソイチェック」と呼ばれる検査で確認できます。当院で実施しています)。体内でエクオールが生成されない場合は、エクオールの摂取が有効です。当院では、大塚製薬が製造するエクオールのサプリメントである「エクエル」を取り扱っています。また、エクエルのみの販売も窓口で行っています。