ピロリ菌|いまがわ外科クリニック|大阪市都島区の内科・外科・整形外科・肛門科・形成外科・美容診療・消化器内科

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ピロリ菌

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ピロリ菌とは

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」です。
通常、細菌は胃の中に入ると胃酸によって死滅しますが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を分泌して胃酸を中和するため、胃内でも生き延びることができます。この細菌は多くの場合、幼少期に感染し、その後持続感染することで、さまざまな胃や十二指腸の病気を引き起こします。

感染経路

ピロリ菌は主に経口感染すると考えられています。
感染経路の例として、以下が挙げられます:

  • ピロリ菌に感染している大人が赤ちゃんに口移しで食べ物を与える
  • 糞便に汚染された食物や水を摂取する

ピロリ菌が引き起こす可能性のある病気

  • 胃十二指腸潰瘍
  • 胃リンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 慢性胃炎
  • 胃がん
  • 機能性ディスペプシア
  • 逆流性食道炎
  • 鉄欠乏性貧血
  • 蕁麻疹 など

ピロリ菌は、胃がんのように生命に危険を及ぼす病気だけでなく、QOL(生活の質)の低下を招く疾患の原因にもなります。
これには、機能性ディスペプシア(食後の胃もたれ、腹部膨満感、みぞおちの痛み)や鉄欠乏性貧血、蕁麻疹などがあります。

ピロリ菌の診断

1. 内視鏡検査

内視鏡検査(胃カメラ)により、胃十二指腸潰瘍や萎縮性胃粘膜を確認したり、組織を採取してピロリ菌の存在を調べます。保険診療では内視鏡検査が必須です。

2. 内視鏡を用いない方法

以下の検査を行います:

  • 尿素呼気試験(呼気を用いる)
  • 血中抗体測定(採血による)
  • 便中抗原測定(検便による)

なお血中抗体測定では、胃酸を抑える薬を服用している場合、偽陰性(実際には感染しているのに検査結果が陰性となること)が出る可能性があるため注意が必要です。

ピロリ菌の治療

ピロリ菌の除菌には、胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を1週間服用します。
治療中、下痢などの副作用が起こることがありますが、重篤な副作用はまれです。

除菌判定

除菌判定は、治療終了後4週間以上経過してから行います。
判定には基本的に内視鏡を用いない検査を行います
1回目の治療で除菌に成功する人は約8割ですが、残りの人は追加治療(2次治療)が必要です。

除菌成功後の注意点

除菌が成功しても、胃がんが発見される可能性は完全には排除できません。
そのため、定期的に(1~2年に1回程度)胃カメラ検査を受けることが推奨されます。