ガングリオン
ガングリオン
手や手指の関節に、数mm~3cmほどの弾力を伴う腫瘤ができます。痛みはほとんどありませんが、神経が圧迫されると痛みを伴うこともあります。腫瘤の中には、ゼリー状の液体がたまっています。手首の甲にできることが多いですが、手首の背側や、腱鞘の中にできることもあります。足や足首にできるこもあります。
へバーデン結節(手指の第1関節(DIP)関節に生じる変形性関節症)に合併するガングリオンはミューカチストとよばれ、ゼリー状の物質が透けてみえることもあります。

※日本手外科学会「手外科シリーズ 5」から画像を引用しております。
手のガングリオンは「物を持つ」「手を曲げる」動作で気づかれ、
足のガングリオンは「靴が当たって痛い」「足首が腫れている」ことで発見されることが多いです。
関節や腱は「関節包」「腱鞘」と呼ばれる袋状の膜で包まれています。この膜の一部が風船のように膨らみ、中に滑液(関節液)がたまることでガングリオンができます。明確な原因は不明ですが、下記が一因とされます

※日本手外科学会「手外科シリーズ 5」から画像を引用しております。
痛みがなく、日常生活に支障がない場合はそのまま様子を見ることも可能です。
自然に小さくなる場合もあります。
しこりの中に針を刺して液体を抜きます。症状が軽い場合はこれで改善することもありますが、再発が多いです。
再発を繰り返す場合や、痛み・しびれ・圧迫症状がある場合には手術による摘出を行います。
袋の根元(関節包や腱鞘)ごと切除することで再発率を下げることができます。
当院では、保存療法で改善が難しい場合に日帰りでの手術を行っています。手外科専門医が執刀し、清潔な院内手術室で安全に行います。以下は一般的な流れです。

まず診察で症状や経過を確認し、超音波検査などで腱の状態を評価します。
手術が必要と判断された場合は、手術内容・麻酔法・費用・術後の注意点などをご説明します。

手術日は通常、水曜午前の「手外科専門外来」で行います。
血液検査などの術前検査を実施し、手術同意書にご署名いただきます。
看護師より手術の注意事項を説明します
局所麻酔または伝達麻酔で行い、手術時間はおおむね20〜30分程度です。
ガングリオンの直上で切開をし、ガングリオンの袋を摘出します
手術後は創部をガーゼで保護し、安静時間ののち歩いてご帰宅いただけます。
手術翌日または数日後に再診し、感染や出血がないか確認します。
抜糸は1週間後が目安です。症状や腫れが落ち着いたら、指のストレッチやリハビリ指導を行います。

軽作業や日常生活は数日後から可能ですが、力仕事や長時間の水作業は回復をみながら再開します。
症状の程度や職業によって経過は個人差がありますので、医師の指示に従ってください。
当院では日本整形外科学会認定の手外科専門医が執刀します。
腱や神経が複雑に入り組む指の構造を熟知しており、再発や合併症を防ぐ安全な手術を行います。
局所麻酔や伝達麻酔を行う際も、麻酔科標榜医が常勤しており、痛みや不安を最小限に抑えます。
術中・術後の安全性を重視した体制を整えています。

院内に清潔度の高い専用手術室を備え、外来から手術・アフターケアまで一貫して行える体制です。
入院の必要がなく、日帰りで受けられるため身体的・経済的な負担が少なくすみます。
ガングリオンの手術は保険診療の対象です。さらに日帰りで受けられるため、入院費が不要で経済的負担も軽く済みます。
外科・内科を併設しているため、全身の状態を踏まえた総合的な診療が行えます。
大阪メトロ谷町線「都島駅」から徒歩5分。お仕事帰りやご家族の付き添いにも通いやすい立地です。
院内は明るく清潔で、バリアフリーにも配慮しています。
Q. 手術は痛いですか?
局所麻酔または伝達麻酔を行うため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が切れた後に軽い痛みや腫れを感じることがありますが、鎮痛薬で十分にコントロールできます。
腫れや違和感も数日〜1週間ほどで落ち着くことが多いです。
Q. 手術は保険適用ですか?
はい。ガングリオンの手術は健康保険が適用されます。
詳しくは当院の料金表をご覧ください。
Q. 手術後はいつから仕事に戻れますか?
デスクワークなどの軽作業は、数日〜1週間程度で復帰可能です。
手を頻繁に使う仕事や重いものを持つ作業では、2〜3週間程度の安静期間をおすすめします。
回復の早い方では抜糸後すぐに通常の生活へ戻れる場合もあります。
Q. 手術をしないで治ることもありますか?
自然に完全に治ることは少ないですが、痛みやしこりが軽い場合は経過観察で小さくなることもあります。
ただし、再発を繰り返す・痛みや神経圧迫を伴う場合は、手術による根治治療が推奨されます。
Q. 手術のあとリハビリは必要ですか?
術後しばらくは指や手首の動きが硬く感じられることがあります。
その場合は、軽いストレッチや曲げ伸ばしの練習を行います。
無理のない範囲で動かすことで、腱の滑りが改善し、再発予防にもつながります。
Q. 再発することはありますか?
はい。ガングリオンは関節包や腱鞘の脆弱部から発生するため、再発が比較的多い疾患です。
当院では、袋の根元までしっかり摘出し、術後は包帯圧迫を数週間行うなどの再発予防を行っています