いぼ
いぼ
いぼは医学的には「疣贅」といい、基本的にはウイルスが原因で生じた小さなできもののことを指します。もっともよくみられるウイルス性のいぼは「尋常性疣贅」といい、HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因です。HPVには約150種類近い型がありますが、尋常性疣贅は主にHPV2型や57型が原因となります。HPV6型や11型は性器や肛門にできる「尖圭コンジローマ」の原因となりますし、HPV16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型は子宮頸がんの発症原因とされています。
その他にも「いぼ」と呼ばれる疾患には、「みずいぼ」(伝染性軟属腫)や「老人性いぼ」(脂漏性角化症)があります。伝染性軟属腫はポックスウイルス属のモルスクムウイルス感染が原因で、脂漏性角化症はウイルスが発症原因ではなく、加齢や紫外線の蓄積によって生じます。
HPV(ヒトパピローマウイルス)感染によって生じるよく見られるいぼです。HPVのうち2型や57型が主な原因とされます。手、足、爪囲、顔面に硬くザラザラした腫瘍ができます。足裏にできた場合は、魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝)との区別が問題となります。いぼの中にはウイルスが含まれており、いぼの周囲に傷がつくと自家接種で広がります。ウイルス疾患であるため、免疫が弱っているときに腫瘍が増殖します。逆に、免疫が活性化すると自然に消失することもあります。治療は外科的切除かRFナイフ治療を行っています。
HPV6型、11型が主な原因でカリフラワー状の腫瘤が性器や肛門にできます。尋常性疣贅と同様に、尖圭コンジローマも自家接種により広がり、免疫が弱っているときに腫瘍が増殖します。梅毒で生じる扁平コンジローマは別の疾患となります。治療はRFナイフによる切除または軟膏治療(ベセルナクリーム)を行っています。冷凍凝固はメリットが少ないと考え、当院では行っておりません。
伝染性軟属腫、いわゆる「水いぼ」は、ポックスウイルス属のモルスクムウイルス感染によって生じます。子供に多く、1-5mmほどの丸くて光沢のあるいぼが多発します。かきむしると、自家接種により周囲にどんどん広がります。子供が成長し免疫がついてくると自然治癒しますが、経過が長い場合はピンセットでつまんで白色の内容物を取り除きます。成人に多発する場合は、免疫不全状態がないか注意が必要です。
1cmくらいの褐色から黒褐色の境界明瞭な隆起で、「しみ」が膨らんだように見えます。いぼの表面が油性の光沢を持つため「脂漏性」と呼ばれます。加齢や紫外線の蓄積によりケラチノサイトが増殖したもので、ウイルスは関係しません。急速にかゆみのある脂漏性角化症が多発する場合は、内臓悪性腫瘍の可能性があり注意が必要です(Leser-Trelat兆候)。
いぼなのか、皮膚がんの一種なのかを鑑別するためには正確な診断が必要です。
当院ではダーモスコープという特殊な拡大鏡を用いて診断を行います。
診断が難しい場合は部分的に切除して顕微鏡検査で調べることもあります。
局所麻酔を行い、皮膚を切開して摘出、縫合を行います。手術後は線状の傷あとが残ります。当院では傷あとをできるだけ目立たなくするため、丁寧に縫合することはもちろん、抜糸後のテーピングを3ヶ月程度継続することをおすすめしています。足裏など外科的切除が困難な部位もありますので、保険での外科切除を希望されましても、医師の判断でできないこともありますのでご了承ください
局所麻酔を行い、RFナイフで病変を蒸散させる5分程度の施術です。(詳細はRFナイフのページを御覧ください)
治療後の傷はしばらく赤みがありますが徐々にとれてきます。外科的切除にくらべて傷跡が目立ちにくいのがメリットです。術後は、紫外線による色素沈着を予防するため、UVケアが重要です。また、液体窒素療法と比較すると治療が1回ですむ(RFナイフは自費診療ですが、冷凍凝固で繰り返し通院した場合の治療費はほぼ同等)また、術後の赤みや色素沈着などが目立ちにくいというメリットがあります
-196℃の液体窒素で冷却した綿棒でイボを圧抵することで、ウイルスに感染した細胞を破壊する治療です。皮膚科で一般的に広く行われている治療です。イボが取れるまでに数回治療が必要なことがほとんどです(当院では1回の治療ですむ蒸散治療または外科切除を行っていますので、液体窒素療法は行っておりません)
治療時に軽い痛みがあり、治療後はしばらく赤みが残ることもありますが、徐々に目立たなくなっていきます。
LINE予約、WEB予約で診察予約(初回診察)をお取りください
脂漏性角化症かどうか、悪性腫瘍ではないかをダーモカメラなどを用いて診断します
治療の手順、効果、注意点などについて 詳しく説明致します。
十分納得いただいたうえで治療を受けてください。治療は原則として予約制になります。
(予約枠が空いていれば、当日施術が可能な場合もあります)
治療時間は約10分程度です。
治療後は軟膏を塗布し、肌色のテープを貼って帰宅いただきます。
1週間程度ご自宅でも軟膏を塗布していただきます。施術部以外は普通にメイクしたままで大丈夫ですが、メイク落としや洗顔の際は施術部をこすらないように気を付けてください。
1~2週間後に再診します。
その後は2カ月程度日焼けに注意してお過ごしください。