
急性胃腸炎
急性胃腸炎
上記の症状に該当される方は受診をおすすめします。これらの症状の多くは胃腸炎が原因ですが、大腸がんや潰瘍性大腸炎や炎症性腸疾患が潜んでいる可能性もあり、適切な診断・治療が必要です。いまがわ外科クリニックでは、消化器病専門医、消化器外科専門医、大腸肛門病専門医が診療しておりますので、適切な治療や、緊急性に応じた高次医療機関への紹介が可能です。
急性胃腸炎とは、胃や腸の粘膜が炎症を起こし、急激に下痢や嘔吐、腹痛などを引き起こす病気です。原因はさまざまですが、もっとも多いのはウイルスや細菌による感染で、一般的に「急性胃腸炎=感染性胃腸炎」を指すことが多くなります。発症は突然で、数日から1週間程度で自然に回復することが多い一方で、乳幼児や高齢者では脱水症状により重症化することもあるため注意が必要です。
急性胃腸炎の原因として最も多いのがウイルス感染です。代表的なウイルスは以下の通りです。
季節は秋から冬にかけて流行し、あらゆる年齢層が感染します。症状は下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱、脱水など。潜伏期間は1-2日、発症は1〜2日で治まりますが、症状が改善した後も2週間程度は便からウイルスが排出され続けるため、家族内感染や集団感染に注意が必要です。カキなどの二枚貝は、海水中のノロウイルスを体内に蓄積することがあります。そのため河口付近で養殖される牡蠣では、生活排水に含まれるノロウイルスが牡蠣の体内に蓄積しやすく、生食は危険です。
主に乳幼児に多く、下痢便が白っぽくなるのが特徴です。わずかなウイルス量でも感染が成立するほど感染力が強く、症状は吐き気・嘔吐に続いて下痢や発熱が起こります。潜伏期間は2〜4日、発症は1〜2週間と比較的長く続くのが特徴です。
幼児に多く、発熱や咽頭炎を伴うこともあります。季節を問わず発症するのが特徴です。
成人や小児で、食事が原因となることが多いタイプです。代表的な原因菌は以下です。
夏季に多く、加熱不十分な鶏肉やペット由来の感染が多い。ギランバレー症候群を引き起こす可能性がある。
生卵・鶏肉が原因であることが多く、発熱や血便を伴うこともある。
重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性がある。加熱不十分な牛肉などが原因。
食品内で増殖し毒素を産生、摂取後短時間で激しい嘔吐を起こす。
抗菌薬の副作用による腸内環境の乱れ、薬剤性の胃腸炎、食物アレルギー、寄生虫感染などもまれに原因となります。
急性胃腸炎でみられる下痢は感染性下痢症といわれ、「非炎症型下痢」と「炎症型下痢」に分けられます。
主に小腸が障害されるタイプ
主に回腸から大腸に病変が及ぶタイプ
典型的な症状は以下の通りです。
こうした症状がある場合は、早急な医療機関受診が必要です。
急性胃腸炎は、多くの場合は症状や流行状況、食事歴から総合的に診断します。必要に応じて以下の検査を行います。
最も重要なのは水分・電解質の補給です。経口補水液(ORS)を少量ずつ頻回に摂取するのが理想で、スポーツドリンクを薄めて代用するのも有効です。飲めない場合は点滴で補液します。下痢の程度にもよりますが、1日で1000~1500mlほど摂取するのが理想です。
腸管に炎症があるため、消化に良い食事を行います。御粥やinゼリーの摂取がおすすめ。
細菌性で重症の場合に限って使用します。ウイルス性には抗ウイルス薬がないため、自然経過を見ながら対症療法が中心です。
急性胃腸炎の多くは日常の衛生管理で予防可能です。
当院では、急性胃腸炎に対して以下のような診療を行っています。
患者さん一人ひとりの年齢や体調、既往歴に合わせた安全な診療を行います。
次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
急性胃腸炎は身近な病気ですが、脱水や合併症を防ぐためには正しい知識と早めの対応が欠かせません。原因はウイルス性が多いですが、細菌性や薬剤性もあり、症状や経過によって治療方針が変わります。水分補給を最優先に、必要なときは医療機関を受診してください。当院では外科・内科の両面から診療を行い、地域の皆さまの健康をサポートしています。