コロナウイルス感染症
コロナウイルス感染症
コロナウイルスとは数十年も前よりいわゆる「かぜ」を引き起こすウイルスとして知られていました。ウイルスが突然変異することで病原性が増悪してヒトに重症肺炎を引き起こしてきたことがあり、2002年にはSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年にはMERS(中東呼吸器症候群)、2019年中国の武漢より発生したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)がパンデミック)を引き起こしました。パンデミックを引き起こす原因としては、コロナウイルス感染症の感染力の高さがあります。
ウイルスの感染経路の1つに経気道感染がありますが、新型コロナウイルス感染症パンデミック以前は、粒子の大きさにより飛沫核感染(空気感染)と飛沫感染に分類されていました。粒子が5μm以下のものを飛沫核感染とよび、病原体が長く空気中を漂うことから結核、麻疹などが代表的でした。コロナウイルス感染症の流行移行、「エアロゾル感染」といわれる用語がでてきました。エアロゾルとは粒子の大きさに関係なく空中に浮遊する微粒子のことで、呼吸や咳、くしゃみにより大きさの異なる(1~100μm)のウイルスを含んだエアロゾルが生じます。エアロゾル感染をきたすものには、コロナウイルス感染症、インフルエンザ、ノロウイルスなどがあげられます。
エアロゾル感染は、いわゆる「3密」(密集、密閉、密接)の環境で感染しやすいことから、パンデミック当初はしきりに「3密」を避けるように言われました。たばこの煙が1μmほどされていますから、たばこのにおいが漂う範囲が、エアロゾル感染をきたしうる範囲と考えればわかりやすいかと思います。
コロナウイルス感染症は令和5年5月8日から「5類感染症」となりましたが、ウイルスの性質に変更があったわけではありませんので、罹患しないためには、お互いにマスクをする「ユニバーサルマスク」が感染拡大には有効です。
発症すると鼻水、のどの痛み、咳などいわゆる風邪症状が生じます。発症後しばらくして、味覚障害などが生じることもあります。また、コロナウイルス感染症にり患しているのに無症状で経過し、知らず知らずのうちに周囲にウイルスを拡散していることがあるので注意が必要です。発熱などの急性期症状が収まっても、コロナウイルス後遺症といって、疲労感、筋肉痛、咳、喀痰、脱毛、集中力低下、頭痛、嗅覚障害、味覚障害、腹部症状、睡眠障害など体調不良が続くことがあります。
パルスオキシメーターを使用して、体内の酸素飽和度(Spo2)を測定し、以下のように分類されます
当院ではパルスオキシメーターの貸し出しを行っております
抗原検査とPCR検査があります。いずれも、鼻腔からぬぐい液をとって検体を調べます。
当院では抗原検査、PCR検査のいずれも実施可能です。結果も当日判明します
コロナウイルス感染症は「風邪」の1種ですから、アセトアミノフェン投与などによる対症療法で回復してきます
ただ症状が強い、重症化リスクが高い、コロナウイルス後遺症が心配などの場合は抗ウイルス薬の投与も可能です
当院で処方できる新型コロナウイルス感染症の患者に投与できる飲み薬には以下の3つがあります
これらはいずれも、軽症から中等症Iの患者に用いられますが、ゾコーバは重症化リスクの低い患者さんに。パキロビッドとラゲブリオは重症化リスクの高い患者さんに用いられます。
ゾコーバは催奇形性があり妊娠の可能性のある女性に禁忌、また各種薬剤との併用禁忌が多数あり注意が必要です。
パキロビッドも併用禁忌が多数ありますので注意が必要です