エクオールについて
- 2023年6月12日
- 整形外科
女性ホルモン(エストロゲン)が関与する可能性がある整形外科疾患として
以下のものがあります。
・骨粗鬆症
・指の変形性関節症(へバーデン結節:指の第1関節が変形、動きがわるくなる)
・母指CM関節症 親指の付け根の痛み
・手根管症候群
・腱鞘炎(ばね指・ドケルバン腱鞘炎)
エストロゲンが低下する産後や更年期に手足のしびれ、関節痛、朝のこわばりが出現したさいには、エストロゲンを補うことでこれらの症状が緩和される可能性があります。いわゆる更年期障害でほてり、のぼせ、発汗などがある場合は、保険適応でエストロゲン補充療法が可能ですが、エストロゲン補充療法では、エストロゲン過剰による乳癌や子宮体癌のリスクがあるため、黄体ホルモンを併せて処方するなど注意が必要になります。エストロゲン様の作用のある物質にエクオールと呼ばれるものがあり、上記の疾患に効果がある可能性が指摘されています。実際に当院でも、手足のしびれ、朝のこわばりを訴える患者さんにエクオール内服をおすすめしたところ、症状が改善したかたも少なくありません。エクオールはエストロゲンと違い、乳癌や子宮体癌などの報告もなく、比較的安全に内服することが可能です。保険適応された薬ではなく、サプリメントとして販売されています。
手足のしびれはリウマチなどの全身疾患の可能性があるため、医師の診察をうけてからエクオールの内服することをおすすめします。また、すべての疾患がエクオールで治るわけではなく、経過観察しながら内服していくことが必要です。