嵌頓痔核について|いまがわ外科クリニック|大阪市都島区の内科・外科・整形外科・肛門科・形成外科・美容診療・消化器内科

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医療コラム

嵌頓痔核について|いまがわ外科クリニック|大阪市都島区の内科・外科・整形外科・肛門科・形成外科・美容診療・消化器内科

嵌頓痔核について

嵌頓痔核(かんとんじかく)とは

痔核(いぼ痔)が肛門の外に脱出したまま戻らず、強く腫れて激しい痛みを伴う状態です。もともと痔核は肛門周囲の血流が滞る(うっ血)ことで発生しますが、嵌頓痔核では肛門括約筋の締め付けにより血流障害が急速に進み、症状が悪化します。

主な症状
  • 強い肛門の痛み
  • 腫れ・違和感
  • 立位や座位で悪化し、横になるとやや軽快

治療の基本方針

嵌頓痔核は緊急性のある状態ですが、すぐに手術が必要とは限りません。まずは以下を基本とします。

クリニックで行うこと

  • 還納・冷却処置:脱出した痔核を戻し、腫れを冷やします。
  • 内服薬・軟膏:炎症・うっ血を抑える薬物治療を行います。

症状が落ち着くまでにはおおよそ1週間程度かかることが多いです(個人差があります)。外来通院の場合は連日通院が必要です

ご自宅でできること

  • 冷やす:清潔なタオルで包んだ保冷剤を患部に当てると、腫れが和らぐ場合があります。
  • 温めない:入浴やカイロは血流を増やし、腫れが悪化します。
  • 横になって安静:うっ血を減らすため、可能な限り横になって休みましょう。

手術について

嵌頓痔核の急性期手術は、出血術後肛門狭窄などの合併症リスクが高く、通常の日帰り手術の適応にはなりません(入院が必要)。また、通常の痔核手術に比べ術後疼痛が強いと報告されています。このため当院では、まず保存的治療で炎症を落ち着かせてから根治手術を行う方針です。


まとめ

  • 嵌頓痔核は強い痛みを伴う重い状態で、仕事や学校を休む必要が生じることがあります。
  • 保存的治療でも改善までに1週間前後かかるのが一般的です。
  • 著しく痛み、通院が難しい、手術を行う場合は入院加療が必要です。(連携医療機関を紹介します)

「すぐに痛みを取りたい」「早く社会復帰したい」というお気持ちは理解しておりますが、病気の性質上、まずは安静が最優先です。