痛みについて
- 2024年6月6日
- 整形外科
くびや肩、背中や腰が痛い場合まず内科で扱う内臓からの痛みなのか、整形外科で扱う骨や筋肉、神経からくる痛みなのかを判別します。問診や診察所見である程度判断ができますが、必要に応じて超音波検査やレントゲン検査、CT・MRIなどの検査を考慮します。
痛みの伝達経路
痛みは皮膚や筋肉・骨の末梢障害受容体→末梢神経→中枢神経と伝えられます。末梢で痛みの原因物質が生じると、末梢神経障害受容体に入力され、神経系(末梢→中枢)に伝達されます。ちなみに痛みは人間に備わった防御機構の1つであり、けがややけどなどした際に痛みを感じなければ、致命的な損傷をうけてしまうことになります。
痛みの種類と治療薬
痛みは伝達経路のどこで発生しているかで、次の3つに分けられます。治療は痛みの原因部位に応じた薬剤が必要です
①侵害受容体疼痛
けが、やけど、捻挫、打撲や筋肉痛、肉離れ、骨折、変形性膝関節症や変形性腰椎症、肩関節周囲炎(凍結肩)などが該当します。侵害受容体疼痛が長く続くことで神経障害性疼痛や心因性疼痛に移行することもあり、痛みを放置しないことが大切です。治療にはNsaids(エヌセイズと読みます)、ロキソニンなどの一般的な痛み止めを用います。
②神経障害性疼痛
末梢神経や中枢神経で生じる痛みのことで、脊柱管狭窄症や頚椎症、椎間板ヘルニアなどが該当します。骨や椎間板が神経に接触することで痛みが生じます。また帯状疱疹による痛みもウイルスが神経を刺激することによる痛みになります。神経障害性疼痛にはNsaidsは無効なことが多く、プレガバリン(リリカ)やミロガバリンベシル(タリージェ)などの神経をおさえる薬が必要です。抗うつ薬(サインバルタ)なども有効なこともあります
③心因性疼痛
「痛みは感情」とも言われます。痛みは、末梢から情報が中枢へと伝達されますが、ストレスや不安が強いときなどは痛みを感じやすい状態になっております。ストレスを減らす、気分転換を図る(運動など)、カウンセリングをうける、必要があればメンタルクリニックを受診するといったことが必要となります
痛みを減らすこつ
「悪化因子を1つでも減らす。良化因子を1つでも増やす」ことが重要です。