
切れ痔(裂肛)
切れ痔(裂肛)
このような症状は切れ痔(裂肛)の可能性があります
切れ痔(裂肛)とは、排便時に肛門の皮膚(上皮)が裂けてできる浅い潰瘍のことで、硬い便・肛門括約筋の過緊張・下痢などが原因で発症します。多くは生活改善と薬物療法で改善しますが、切れ痔が続くと「慢性裂肛」の状態になり手術が必要になる場合があり注意が必要です
いぼ痔・切れ痔・痔ろうの原因・症状の違いについて知りたい方はこちらを参照ください
肛門の締める筋肉の緊張が高いために起こります。
便が硬く、排便時に肛門の皮膚が裂けてしまうことが原因です。
裂肛を繰り返すうちに肛門の皮膚(上皮)の弾性がなくなり、さらに裂けやすくなります
切れ痔はこれらの要因が単独または複合して発症します。
また、切れ痔は、肛門の前方または後方にできやすいのが特徴です。繰り返すうちに肛門の皮膚(上皮)が硬くなり、さらに裂けやすくなります。裂けた部位の外には、「見張りいぼ」と呼ばれる皮膚のふくらみや、内側には肛門ポリープが形成されることもあります。
裂肛は、急性裂肛と慢性裂肛に分類されます。
裂肛になると排便時に痛むため、トイレを我慢してますます便が硬くなり、傷が悪化して慢性化することがあります。慢性化すると肛門が狭くなってしまうので、ますます便が通りにくくなり、傷がひどくなるといった悪循環をくりかえすことになります。
排便時にトイレットペーパーにつく程度の出血とピリっとした痛みがみられ、排便後にもズキズキとする痛みが続きます。程度が強い場合は、多量に出血したり、数週間痛みが続くようなこともあります。
長期間にわたる裂肛のため、深い傷になって潰瘍状になり、皮膚の突起物(見張りイボ)や肛門ポリープができたり、肛門狭窄(こうもんきょうさく)が起きることがあります。慢性裂肛になると肛門狭窄を解除するような外科的治療が必要になります。
裂肛は、詳細な問診や局所の視診、触診などを基本として診断されます。
合併症として、肛門潰瘍、肛門ポリープなどが起こることもあるため、こうした合併症の有無を調べることもあります。さらに、出血が起こる疾患として肛門がん、大腸がん、大腸ポリープなどの疾患も存在するため、症状や年齢などに応じて内視鏡検査(大腸カメラ)や注腸検査なども行うことが検討されます。
切れ痔は原因となる便の状態や排便習慣、生活習慣の是正により多くの場合は改善します。しかしながら、便の状態や排便習慣や生活習慣はなかなかかえられないもの。当院では「良いことを1つでも増やすこと、悪いことを1つでも減らすこと」というスタンスで、ゆっくり、じっくりと治療していくことをお勧めしております。
便秘に対して、緩下剤を処方します。また下痢や便秘を繰り返す方の場合は過敏性腸症候群の可能性がありますので、過敏性症候群の治療も並行して行います
創部の痛みを防ぎ、創傷を治癒する作用のある軟膏を処方します。肛門の少し中がきれていますので、表面に塗るだけでは効果は少ないため、適切な注入方法も指導します
不適切な排便姿勢により、排便がスムーズにできず切れ痔になっている可能性がありますので、修正が必要です
切れ痔は保存的治療で改善することが多いですが、見張りいぼや肛門ポリープができたことにより症状がある場合や肛門が狭くなっている場合は手術が必要です
内括約筋の緊張が強いことで起こる切れ痔に対し、筋肉を部分的に切開して肛門の緊張をやわらげ、排便をスムーズにする術式です。
繰り返す切れ痔で潰瘍化した部位に対し、傷んだ皮膚を除去し、健康な皮膚を移動して縫合する手術です。病変が広い場合に行います。
慢性の切れ痔でできた見張りイボが、痛みや出血・違和感の原因となる場合に切除します。他の手術と併用することもあります。
当院は消化器病専門医・指導医が肛門だけではなく併存する消化器疾患も併せて総合的に治療を行っており安心です。
Q:市販薬で治りますか?
A:初期であれば一時的に症状を抑えることは可能ですが、繰り返す痛みや出血がある方は、医師の診察が必要です。
Q:女性でも受診しやすいですか?
A:はい。女性スタッフが立ち会う検査体制を整えており、プライバシーに配慮しております。